開会の言葉

ナビゲータ
新東京病院映像情報編集室
佐藤公一
 
 ネットカンファ第2回目です。今回は,ネットワークインフラについてです。
特化した多様なネットワークが混在する病院内のネットワーク構築には,一般的企業内のネットワークには無い DICOM画像系のシステムが存在します。そのため病院内のシステム構築を高価で難しいものにしていると同時に, 参入メーカーを制限しています。また刻々と変化するネットワークインフラに対応する為,開発側には十分な体力が 必要となります。私が,興味を持って接し始めた2年前からも,様相は大きく変化しています。
 当時画像サーバーに関しては,転送時間を稼ぐために可逆系,非可逆系の2サーバーが標準でしたが, 今では転送速度や画像圧縮が改善されたこともあり可逆系のみの1サーバーでの運用が可能です。またクライアントの 画像参照では,以前は端末用の専用ソフト,個々の機器でのライセンスが有ましたが,今ではJAVAによるブラウザ対応で, クライアント個々の設定やインストール,ライセンス管理も最適化されてきています。
 現状において,「出来る」と「使える」を評価する基準が無く,メーカーの選択と機種の選定は個々に調査, 打ち合わせの中での見極めが必要になります。少しでも長く快適に使用するための,それぞれの病院環境に適合した システム選びと導入時期は非常に重要になってきます。ある時期実績があるシステムでも,他メーカーの動向を考慮に 入れるならば,価格も常に慎重に検討する必要があります。導入に際し現状のネットワークインフラを知れば知るほど 「2年使えれば・・十分?・」ですが,病院の立前としては「5年使えるシステム選び」をしなければなりません。 このような背景において,ネットワークインフラを把握しておくことは,より良いシステムを構築するために重要となります。
 今回は,ネットワーク製品を取り扱うアライドテレシス(株)にネットワークインフラをテーマに病院情報システムと ネットワーク構築について述べてもらいました。同社は病院環境も視野にいれた常に最新の製品を生産し低価格で販売しています。 パンフレットホームページや電話での問い合わせには,同社のきめ細やかで誠実な企業姿勢がうかがえます。当研究会への御寄稿 ありがとうございます。
 昨年,訪問する機会があり,亀田メディカルセンターのシステムの概要と経緯を垣間見させてもらいました。 何より電子カルテシステムの完成度に驚き,担当部署の秘められた努力と並みならぬ苦労と葛藤が想像されたのでした。 同時に開発を兼ねた管理部門を外に置いたことは大事なポイントだと思いました。また5年前でのこの決断に敬意を表しました。 さらに驚いたのは,職員のネットワークに対する認識でした。この職員のネットワークに対する認識の高さこそ5年の集大成と 感じたのでした。4月13日に当MISG主宰の見学会がありますが大変楽しみです。大変貴重な資料をこの場で供覧出来ることに 感謝致します。

CONTENTS

<特集> ネットワークインフラ
  1. 病院情報システムとネットワーク構築のポイント
  2. 用語解説

     アライドテレシス(株)システムエンジニアリング部 和田弘之 先生

<システム紹介> 亀田メディカルセンター

 「亀田メディカルセンターの電子カルテシステムの紹介」
    亀田総合病院画像診断室  石川和弥 先生  矢野昌男 先生

<質疑応答>