<システム紹介>亀田メディカルセンター
電子カルテシステムの紹介
亀田総合病院
画像診断室

石川 和弥 先生(左)
矢野 昌男 先生(右)
 
1.亀田グループネットワーク構成図
 図-1
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2.亀田総合病院医療情報システム構成図
 ・電子カルテ・オーダシステム:IBM9672-RB6
 ・LANネットワークシステム:FDDI/Token-Ring/ Ethernet(100/1000BASE)
 ・医事会計システム:AS/400-720
 ・CIS画像情報システム:RS/6000-3AT+DVDチェンジャー
 ・放射線部門システム:日立フローラHI-RIM
 ・看護過程支援システム
  など。
 図-2
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3.電子カルテとは…
 電子カルテとは法令で記載と保存の義務を定める診療録及びこれに付帯する診療記録等を電子媒体で保存し、 これらを有効活用する機能ツールを言います。
 診療記録とは、診療録、手術記録、各検査記録、X線写真、看護記録、要約書(サマリー)、その他診療の 課程で患者の身体状況、病状等について作成記録された書面、画像などの事を指します。
 当院の電子保存に関する対応は、平成11年4月22日付、厚生省健康政策局長の通知『診療録等の電子媒体に よる保存について』に基づき、電子保存に関する「真正性」「見読性」「保存性」を確保する為の構成が なされています。

4.電子カルテシステム
(1)システム構成
  ・電子カルテWS:WindowsNT4.0
  ・端末数約:1200台
  ・ソフト:EMR System for Kameda:(株)亀田医療情報研究所

(2)電子カルテの機能
  ・診療記録:初診・経過記録(図-3)、手術記録、麻酔記録、紹介状など
  ・画像情報:参照画像(非可逆圧縮、モダリティ別に1/10〜1/30圧縮)
  ・レポート:読影レポート、検体検査結果(図-4)、病理結果など
  ・オーダリング:各部門・予約システムと連携
  画像(単純撮影/造影検査/CT・MR検査/ポータブル撮影/内視鏡検査/断層撮影/超音波検査)
処方(薬局)、検体検査、注射、リハビリ(PT/OT/ST)、細菌検査
生理機能(脳波/心電図/心エコー/肺機能 etc)など
  ・看護過程支援システム:看護記録の電子記録(図-5)
  ・医事(患者)情報:ID番号、氏名、性別、生年月日、住所、電話番号など
  ・基本情報:身長、体重、血液型、アレルギー、感染症、既往歴、家族歴など


図-3 診療記録
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図-4 看護過程支援システム
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図-5 検体検査結果
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(3)画像オーダの流れ

図-6 MRオーダ画面
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図-7 予約登録画面
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図-8 コメント入力画面
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5.RIS(放射線情報管理システム)(図-9)
図-9
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(1)現行RISシステム構成
  ・RIS端末:日立FLORA3100CS
  ・サーバ:日立FLORA3100SP4G+4Gミラーリングディスク
  ・端末数:27台
  ・ソフト:HI-RIM亀田総合病院版V2.0

(2)RISの役割
  ・撮影業務のシステム化(撮影装置との連携)
  ・管理業務のシステム化(照射録、日・月報など)

(3)RISの情報の流れ
  @電子カルテからオーダ情報受信
A患者受付及びID番号によりオーダ情報振分け(図-10)
B撮影室端末へオーダ情報表示(図-11/12)
C撮影装置へ患者・オーダ情報転送
D実施入力(フィルムサイズ・枚数の自動取込又は入力、薬剤・機材の入力)
E会計情報転送
  電子カルテからのオーダ率は約90%です。RI、血管造影、救急撮影は医事会計・ 予約システムとの連携がうまくいかず、従来の伝票にて対応しています。

(4)新RISの開発について

図-10 RIS受付画面
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図-11 検査画面
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図-12 コメント確認画面
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6.CIS画像情報システム
(1)システム構成
・ゲートウエイ:RS/6000
・サーバ:RS/6000(200GB + DVDチェンジャー(2.8TB)
・RS/6000-GW端末:14台
・画像参照ソフト:CIS Image/Viewer for Windows

(2)CIS概要
・オンライン保存期間:約5年
・検索スピード:当院の圧縮画像100枚で約30秒
・操作性:自動化処理(専用オペレータ不要)
・特徴:電子カルテと接続し、電子カルテ端末が画像ワークステーションとして各種画像処理 (計測/拡大縮小表示/濃度調整など)が出来ます。

(3)画像転送方法
 CRやCT、MR画像はDICOM形式でオンライン転送し、F/S系や旧式装置のデジタル画像は、 フィルムにプリント後、フィルムスキャナーやイメージスキャナーを使用しCISサーバへ転送しています。 画像圧縮はモダリティ別に約1/10〜1/30の非可逆圧縮で、画像発生量は約1GB/日です。 現在、院内で発生する画像の約98%(MMG除く)が電子カルテで参照できるようになっています。

(4)CRT診断移行へ向けての課題
 CRT診断は可逆圧縮画像(1/2圧縮)にて運用する予定です。
移行前の課題として、
 @院内のネットワーク見直し(高速・大容量)
 Aサーバー容量不足の解消(参照用画像と診断用画像の保存)
 B高精細CRTの選択と配置数
 C表示系CRTの管理
 D画像情報の管理
が挙げられます。

(5)画像情報の管理
 画像情報の管理とは、次のようなことです。
 @再撮影画像など、不要画像の削除
 A表示画像の修正(回転/反転処理など)
 B患者情報間違いの修正
これらの発生件数は表-1の通りです。

ロスフィルム発生率(全体)
・メンテ/生ロス含む
・メンテ/生ロス除外
月平均  1.85%
2.32%
1.37%
削除画像件数  108件(3.48件/日)
患者情報間違い件数 1件(0.03件/日)
画像修正件数
・上下逆
・AP→PA
・マーク設定ミス
28件(0.90件/日)
13件(0.42件/日)
1件(0.03件/日)
14件(0.45件/日)
表-1 画像情報管理件数(平成13年12月平均)

(6)参照画像の一例
 図-16注腸はF/S系及び図-17頭部DSAの画像はフィルムスキャナーより、 図-18Xe-CBFの画像はイメージスキャナーよりCIS画像情報システムに登録したものです。


図-13 CR胸部
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図-14 脳MR
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図-15 眼底カメラ
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6)参照画像の一例です。

図-16 注腸
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図-17 頭部DSA
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図-18 Xe-CBF
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7.障害発生時運用対策
 院内のネットワークが進む一方で、いつどこで障害が発生しても対応できる体制が必要です。
当院では、ホスト、医事会計、LANなどの障害が発生した場合の対応マニュアルを全部署に配布し、 障害発生時には障害発生時運用マニュアルに沿った対応が行われます。
 障害が発生すると、院内放送で障害コードが放送され、職員は障害の発生とそのケースを知り、 コードに合った運用を開始します。例えば、モード1-9121はホストにトラブル発生、障害回復まで 30分以内と言う意味です。放射線科ではRISの運用を一時停止します。モード2に切り替われば、 伝票運用に切り替えます。放射線科の障害発生時運用マニュアルは表-2の通りです。

障害ケース 放射線科運用対策
モード1 医事会計(回復30分以内)
モード2 医事会計(回復30分以内)
業務可能
(電子カルテ・RIS通常可)
モード1 9121(回復30分以内) ・回復まで業務停止(RIS)
・画像転送不可(CIS)
モード2 9121(回復30分以上) 伝票運用切り替え
モード1 RIM(回復30分以内) ・会計情報送信不可(RIS)
・オーダ情報受信不可(CIS)
モード2 RIM(回復30分以内) 伝票運用切り替え
モード1 LAN(回復30分以内) ・回復まで業務停止(RIS)
・画像転送不可(CIS)
モード2 LAN(回復30分以内) 伝票運用切り替え
表-2 障害発生時運用マニュアル(抜粋)